あ……


「ね、ねぇユカリ!違うの本当は」

「別に栗原とは何もねーし、昨日はたまたまアイツの弟が迷子で困ってたから、俺がついでに付き添ってやっただけだよ」


とっさに席から立ち上がって叫ぼうとした私の言葉を遮るように、どこか溜め息まじりに口を開いた隼人。

でもユカリ達はまだ半信半疑な様子で、首を横にかしげる。


「ほんとに~?ほんとにそれだけ?」

「ほんとほんと。まじでそんだけ。だよな?栗原」


思わず肩透かしをくらったかのように唖然としていたところに
隼人が不意に私の方を向いて声をかけてきて…。

そんな隼人の様子に私は内心戸惑いながらも、しばらくして小さくコク、とうなずき返してみせたんだ。


「う、うん……」