気づけば放課後、私の足は図書室へと突き動いていた。

もちろん隼人は一緒に居ないけど、5時までの間は自分一人だけでも図書室に残って勉強しようと思ったんだ。



(…あれ?電気ついてる)



ところが図書室の側までやって来てすぐ、何やら中の電気が付いている事に気がついた。


今までこんな事なかったのに。
最後に出ていった人が消し忘れたのかな

それとも誰か居るの?


不思議に思いながらも、廊下からドアの隙間をコソ…と覗いてみる。


「!」


でもその直後、私は持っていた松葉杖をまた落としかけそうになった。

だって、来てるわけないはずの隼人が居たから。


幸い覗かれている事には気づいていないようで、隼人は今も背を向けて座ったまま、一人黙々とシャーペンを動かしている。



ふたりで一緒に図書室で勉強していた時、隼人が決まって腰かけていたあの場所…


向かいの席は、私が松葉杖のままでも腰掛けられるようにという意味なのか
その椅子だけが不自然にも一歩後ろへと引いてある。



こうしている今もひとり問題と向き合っている様子の隼人。

それでもやっぱり調子が良くないのか、時おり思い悩んだようにして頭を抱えていて

私はこの場から動けなくなってしまった。




どうして?隼人……

私、わざと隼人に突き放すような事言ったのに。



どうして……