「なぁ隼人。もしかして今回調子悪かったのか?それでも十分すげーけど…」


小学校からの仲でもある弘毅くんがそう尋ねたくなる気持ちも分からなくないと思った。


二学期での中間試験

隼人は6位だった。



前回の1位から

ベスト5入りを逃しての、まさかの6位。


もちろん200人中その順位であること自体、私たちからすれば十分すごいのは分かるものの

隼人が目指しているのは西高だから…


そしてその焦りは本人が一番感じとっているのか、どこか取り繕ったように笑って見せる隼人。



「調子?…わりいかも。期末で挽回する」



と心なしか言葉少な目に返して、弘毅くんと共にその場をあとにしていった。



広くて高い背中が今は少しだけ丸い、そんな隼人の後ろ姿を複雑な表情で見つめながら

ふと私は手に握っていた小さな紙をカサ…と開いてみる。



「……」



5教科とも全て、平均点以上。



今学期の中間試験

私は50番内に入れた。




一学期の中間試験では最後から数えられてしまう程の順位だっただけに、
私にとってこの数字は大きな自信へと繋がっていく。