「いきなりここで話し出すのもなんだしさ、ちょっと来てくんない?もちろん栗原さん一人で」


予感的中…

恐る恐る目線を合わせると、明らか胸中穏やかではない顔をした藤原さんと、その取り巻きの女子がいた。


有無も言わせないその威圧感に、私は一歩後ずさりする。



「…は、話って」

「だーかーら。向こうで話すっつってんだろ。いーからさっさと来いよ」



思いもかけず語気の荒い言い方をされ、ビクッと全身が震え上がる。


そしてそんな私がますます気に入らないのか、藤原さんは元々綺麗なはずの顔を歪めていた。


藤原さんが私に言いたいこと…。

それは絶対、どう考えても隼人のことだ。


隼人の元カノでもある私の存在が邪魔でしょうがないんだよね。

気持ちは分かるけど…



でも、私だって……


「……」


負けず嫌いが顔を出してか、思わずコク…とうなずいて見せる。

そして意を決したように足を踏み出したとき、みーちゃんに腕を掴まれた。