「――優衣!」


でも次の瞬間

隼人の叫ぶ声がして私はハッとする。


顔を上げるとそこには人混みの中、ひとり息を荒げた様子の隼人。


もしかして私のことを探しているのか、必死に辺りを見回している。


思わず焦って立ち上がったのと同時に、隼人が私の姿を見つけ出す。


「隼…」


ほっとしてか名前を呼びかけるよりも先に、すぐさま隼人が走ってきて


「!」


気づくと私は隼人の腕の中にいた。