「―――」


ところが戻ってきてすぐに私は愕然とした。


居ない、誰も…

ユカリやみーちゃん。サッカー部の男子たちに、そして隼人。


あの藤原さん達ですら忽然と…。


なんで?
もうとっくに集合時間は過ぎてるはずなのに…みんなは今どこに…?


!そうだ、電話…


とっさにハッと思い立った私は、急いで巾着からスマホを取り出す。


そしてすぐさま電源ボタンを押すも、一向に画面が付かない。


何度やっても変わらず、ここで私はあることに気がつく。


「……はっ」


ま、まさかの

電池切れ……



(充電しとくの忘れてた…)



とたんにガクッと全身の力が抜ける。

終いには、へなへなとその場にしゃがみこんでしまった。


…今日ほど自分の間抜けさを恨めしく思ったことはない。


でも、だからって皆いないなんて……



それとも私、置いていかれたの……―?



ふとそんな予感が頭をよぎり途方に暮れる間、すぐ目の前を幸せそうなカップルや友人、家族連れが通りすぎていく。


…この夏休み、自分が思い描いていた光景とはあまりにも違いすぎて、さすがに心折れそうになった。


私、なにやってるんだろう…。


皆で一緒にお祭り行けるのあんなに楽しみにしてて…

浴衣まで着てきたのに。

こんな、一人ぼっちで…


そう思ったら自分が惨めになり、抱えたこんだ膝に顔を押さえつけてうずくまる。


私の目から――涙がこぼれた。


「……っ、隼人」