突然、自分の名前を呼ばれたことにハッとして

まさか、とは思いつつも私は平静を装いかけようとする。


「な、なに?隼人」

「来月の30日さ、祭り行かね?ここにいるメンバー全員で」

「……!え、い…いいの?」

「去年約束して行けなかったろ。今さらだけど優衣も良ければ」


隼人…

去年した約束、覚えててくれたの?

きっと気を遣ってくれたんだろうけど、
あの日の約束を覚えててくれて、しかもわざわざ声をかけてくれた隼人に、私は迷うことなくこう頷き返す。


「行く。行きたい!」

「んじゃ決まり。なんなら橋本と木下も誘っていいし」

「うん!ねぇユカリとみーちゃんも行こうよ!」


思ってもみなかった隼人からの誘い。

一気に舞い上がる私に、お祭り好きのユカリはもちろん、
今回ばかりはみーちゃんも空気を読んでくれたのか、快く OKしてくれた。


「……」


このとき…

発案者である藤原さんには、普段の倍以上にきつく睨みつけられてしまったけど、そんなことは気にも止められないくらい、私の心はひどく弾んでいたんだ。


…嬉しい。やった!

今年の夏はもうすっかり諦めていたのに。

これも天の神様のお導きかな……?