え……?


「ちょっとユカリ!まだそんな事言ってんの?テスト近いって分かってんでしょ!?」

「だってさぁ誕生日だよ?そんな日くらいパァーっとやりたくない?
隼人だって自分の誕生日祝われて嫌な気しないだろうしさ」


ね?と、若干キレ気味のみーちゃんを華麗にスルーして
今度は隼人本人に同意を求めようとするユカリ。


…隼人、なんて返事するのかな


内心ドキドキしてくる私をよそに、再び自身の首すじへと手をまわした隼人はこう言って笑った。


「わり…祝ってくれんのはすげー嬉しいけど、俺も期末前で勉強したいさ。気持ちだけ受けとっておくな」


ズキ……――


「えぇー?ほんとに?せっかくの誕生日なのに一人部屋にこもって勉強とか寂しくない?」

「平気平気。つうか俺、今度1位狙ってっから(笑)そういう橋本こそ、試験勉強しなくていいのか?」

「うっ、聞かないで!」

「ユカリ。アンタはただ自分が遊びたいだけでしょうが」


痛いところをみーちゃんに突かれて、ますます耳を手で覆うユカリに、隼人はただ笑ってる。


どこか微笑ましくも見える空気の中、私はひとり顔をうつむかせた。


「……」



“俺も期末前で勉強したいしさ。気持ちだけ受け取っておくな”


……そっかぁ