え……


「え、藤原も?」

「うん。だって卒業しても隼人と一緒の高校通いたいじゃん?だから私も西高受験する」


一瞬ポカンと驚いた反応の隼人に対して、どこか満面の笑みで頷く藤原さん。

するとその中にいたサッカー部の一人が、藤原さんに茶々を入れる。


「隼人なら余裕でも、藤原の学力じゃあさすがに西高は厳しくね?(笑)」

「もー!今の発言、超失礼なんだけど(笑)
だって隼人の居ない高校なんてつまんないじゃん。行くなら絶対一緒がいい」


藤原さんは考えを変えるつもりはないのか、最後の方には語気を強めていた。

その勢いに呑まれるかのように、今度は私の顔が青白くなっていく。


…ねぇちょっと待って、

ほんとは私だって隼人と同じ高校……


心の中で自分もそう訴えかけようとしたとき、
今まで黙っていた様子の隼人が、ふいにポツリとどこか神妙そうな声でこう呟いたんだ。


「……なぁそれ、やめた方がいいんじゃねーの?」