「それさ、今俺に留めて見してみ」

「え、リボンのこと?」


私に聞き返されて、満面の笑みで頷く隼人。


「……もう」


しょうがないなぁ…

膨れっ面は今も戻んないまま、しぶしぶと後ろ髪を留め直してみる。


そして左右に軽く髪を揺らして、顔を見上げてみたとき、隼人の反応がピタリと止まった。



「……」






ええ!?


「や、やっぱ変だったよね!?」


何かしら一言はくれるかと思ったのに、隼人のリアクションがなさすぎてこっ恥ずかしくなってしまった。


急いでリボンを外そうとした私を、寸前になって隼人が止めてくる。



「あ、違うそうじゃなくて。正直、今ちょっと見入ってたっつーか…」

「……」

「すげー似合ってるよ」


元々、こんなセリフ面と向かって言えるようなキャラじゃないはずなのに

照れた顔をして伝えてくれるから、私まで赤いが伝染してしまった。


「……あ、ありがと」

「……」


って


ちょ

ちょっと待ってよ何この空気!?


これじゃ私が卒業するみたいなんじゃあ…!?


実際はこのあと先輩に告白するって決めてるのに!!


自分の心境とは明らかアンバランスな状況に一人やきもきしていると、そんな私の心情を察してか隼人が口を開く。