「優衣、今日はお誕生日おめでとー!!」


当日の朝。

いつもよりもどこか緊張した面持ちで登校してきた私に、ユカリとみーちゃんが満面の笑顔で出迎えてくれた。

二人とも手にはクラッカーを持っていて、パンパン!と弾けるような音が一斉に響き渡る。


「!?…あっ、二人とも覚えててくれたの?!」

「あったり前じゃ~ん!あとハイこれ、私たち二人からのプレゼント♪今年はちょっと奮発してみました」


そう言って、ユカリ達がプレゼントしてくれたのは
二人で一緒に選んでくれたという、可愛いシャンプーや入浴剤などの入ったセットに、バレッタの髪留め。


「わぁすっごい可愛い!リボンだ」

「優衣はいつも髪に気を使ってるからこれがいいんじゃないかなーって、みーと二人で相談して決めたんだよ」


ね♪と、ユカリに話を振られて、みーちゃんはまるで女神のような微笑みで頷いてくれた。

花粉症もあいまってか、とたんに目がうるうるしてくる。


「二人ともほんとにありがとう!」

「いえいえ♪優衣もやっと14歳の仲間入りしたんだもん。今日は一日遠慮なく何かうちらに頼みたいことあったら言ってね!」


頼みたいこと。


二人の優しさにひたすら感激していたのもつかのま、
このとき私はハタッと冷静になる。

そしてプレゼントを抱え直すと、両手を前に合わせてみた。


「じ、実はね。折り入って二人にお願いがあるんだけど……」