その日を境に、私は隼人を避けてしまうようになった。


隼人とクラスが別れたことが前はあんなに悲しかったのに、今は逆にそれが救いだった。


廊下で偶然すれ違いそうになるたび、隼人は私に何かを言いかけようとしていたけど、そこへ藤原さんが声をかける。


そんな二人を見て内心モヤモヤとする自分が嫌で、ますます現実から目を背けるような日々が続いた。




…広瀬先輩には、結局まだ告白できていない。

色鮮やかだった校庭の緑も、いつの間にか枯れ葉へと変わっていき…

季節は秋。


気づけばもう11月になっていた。




そんなある日の放課後。

私は委員会で学校に居残っていた。


ようやく集まりを終えて帰ろうとしていたとき、廊下の向かい側から誰か歩いてくるのが見えた。



「!!」


広瀬先輩!


その瞬間、口から心臓が跳び出そうになり、私は急いで壁の死角へと隠れる。


…でもいくら待っても先輩は一向にやって来なくて、おそるおそる顔を半分出すと広瀬先輩は職員室へと入っていった。


……先輩?


不思議に思い、とっさに後をつけてみる。

そのままコソッと職員室の様子をのぞいてみたとき、中で突然先生の怒鳴る声がした。


「これは一体、どういうことだ広瀬!」