「……藤原」

「もー、隼人ってば全然帰ってこないから心配したじゃん。早く皆のとこ戻ろ?」


そこへ現れたのは、さっき隣の席で隼人に話しかけていた女の子。

上目遣いで見つめて、藤原さんと呼ばれるその人は隼人の腕を軽く引っ張った。

その光景を目の当たりにした瞬間、私の胸がズキッと痛む。


やがて藤原さんは私がいることにも気がついたのか、キョトンとした目でこっちを見てきた。


「…だれ?」

「え?いや、誰っつーか…」


別れた手前、隼人が言いずらそうにしているのを察してか、藤原さんと再び目が合う。

そして深く顔を覗き込むようにしてこう言われた。




「もしかして…



元カノ?」