「!!」

「え」


まさかここで隼人と鉢合わせするとは思ってもなくて、気づいたら足を踏み外していた。

ガタンッ!と音がしてひっくり返った私を、どこかエッ?と言うような顔で振り向く隼人。


「え?優衣…?」

「……」

「…だ、大丈夫か?ケガとかしてねぇ?」


恥ずすぎて穴があれば入りたいくらいなのに、腰が抜けてしまって立てない……。

そんな私を見かねてか、隼人が手を差し出してくれた。


「立てるか?」

「あ、ありがとう…」


隼人に支えてもらい何とか立ち上がる。

お礼を言うだけで精一杯だった。


どうしよ、隼人の顔見れない…。


「……」

「……優衣、あのさ」


気まずいのと恥ずかしいのとで顔を俯かせていると、隼人が何かを切りだそうとする。

でもこのとき、後ろから女の子の声がした。


「隼人~?どしたの?」