―――………


「うっそ、まじで?いつ?」

「おととい」

「最近じゃん!えっなんで?」

「フラれた」



フラれたぁ!?



その瞬間、ここにいる私達にもはっきり聞こえるくらいのどよめきが起きる。

突然のカミングアウトに周囲がザワつく中、今も隼人の隣で寄り添うのは…あの女の子。


「だったら私と付き合おうよ隼人。今、彼女と別れてフリーなんでしょ?」

「……」


女の子からの誘いに、隼人が何か答えた様子は分からなかった。


そんな二人から目が離せなくなって、気づけば釘付けになっていると、後ろでユカリが気まずそうに声をかけてくる。


「ゆ、優衣…」

「…っごめん、私ちょっと…トイレ行ってくる」


心配してくるユカリたちをよそに
ガタッ!と席から立ち上がった私は、急いで女子トイレへと駆け込んで行った。