「なぁ見ろよ、中学生じゃね」

「お、女子だ女子」

「しかも結構可愛い」

「ナンパする?」


?なに…?

もしかして


ーー私を見て笑ってる?


何か可笑しなところでもあるのだろうか。

遠目越しにも、私のことをニヤニヤと見てくる高校生。


そこへ隼人が私の前を割って入る。


「えっ、隼人…?どうし」

「いいから、黙って歩いて」


そ、そんなこと言われたって
隼人ってば思いっきり私にかぶってきてんだけど…


いつのまにか壁際の方へと寄られ、私は自転車とそれを押す隼人に挟まれるような形に。

前を歩く隼人に遮られて思うように進めない。



(あ、でもこれって…私が笑われないよう見えなくしてくれてるのかな)



もたつきながらも
どこか隼人に隠されるように男子高校生たちの横を素通りする。



「…なんだ、彼氏かよ」


このとき、私たちの後ろでチッと舌打ちする声が聞こえた。