「あ"ー、受験だりぃ」

「それな。まじ塾行きたくねぇ」

「帰ってそっこー寝るわ俺」

「つか受験勉強する暇なくね?俺ら大会まで引退できねーのに」



あ、もしかして3年生かなサッカー部の。

今日試合で見た…


あの中に広瀬先輩はいないみたいだけど……



着替え終わってこれから帰るのだろうか

下駄箱の棚を隔てて、先輩たちの話す声が聞こえてくる。



「他の部はもうとっくに引退してるもんな」

「1日中部活やって勉強する気なんか起きねーよ」

「これで受験失敗したらどうしてくれんだっつー話」



隼人、早く来ないかな。


なんとなく居心地が悪くなって
一人そわそわと落ち着かない様子でいたところに
下駄箱の壁の向こうで思いがけない話を耳にする。


「その点、翔はいいよな。スポーツ推薦で行けんだからさ」