――隼人。


同時に胸がトク、と高鳴る。



隼人の方もまさか私が見に来るとは思ってもいなかったんだろう。


今も足は遠くに飛んでいったボールを追っかけつつ

目は明らかびっくりした様子でこっちを見ていた。



いきなり来て驚かせたかな…



とは思いながらも

こっそり手を振ってみる。


でもこの時ちょうど

隼人の足元にボールが巡ってきて、駆け出して行ってしまった。



あ…


振りかけた手は行き場をなくしたまま


内心残念に思いつつ、それでも試合の行方をおとなしく見守る。


するとしばらくして

足を止めた様子の隼人がもう一度チラ、と私の方に目をやったかと思うと


さりげなく手を振り返してくれたんだ。