『も、もしもし!』

『あ、もしもし栗原?遅くなってワリ。今、電話平気?』


急いで電話に出ると、耳元では少し心配した様子の隼人の声。


平気も何も、今までずっと隼人からの連絡待ってたもん。


『平気だよ。部活おつかれ。今終わったの?』

『うん。終わってたった今家ついたとこ』


部活で疲れてお腹も空かしているはずなのに、家着いて真っ先に電話くれたんだ。

嬉しくてついつい口元が、にやけてしまう。


『あ~、つかれた』

『今なにしてるの?』

『今?今は部屋で寝転がってる』


今ごろ部屋でくつろいでる隼人を想像したら、自然と顔もほころんでくる。

でもやっぱり会って話したいな……。


『ね、ねぇ隼人。今度の週末空いてる?どっか二人で遊びいかない?』


隼人と付き合えるようになって、電話だけじゃ物足りなくなってしまったのだろうか。

もっと隼人と一緒にいたくて、勇気を振り絞り自分からデートに誘ってみる。


すると画面越しからはこんな返事が。



『……ごめん。土日も部活入ってっから……』