隼人の顔が離れたあと、私は自分の頬をワナワナと手でおさえる。


「は、隼人!?今ななな何して!?」

「わり…笑った栗原が可愛くてつい、したくなった」


え?(ポッ)

ってときめいている場合じゃなかった。


つ、ついって…

てかここ外だし、しかも正門前だし…!



「誰かに見られたらどうすんの!」

「ごめん。んじゃ、これで我慢しておく」



そう言って、隼人が私に差し出してきたのは…手。


その大きくて広い手に、少しして私もおそるおそる自分の手を重ねてみると、すぐにすっぽりと収まってしまい

隼人が男の人なんだってのを実感した。



「家まで送っから、一緒に帰ろ」



その感触にひたすらドキドキしていると、隼人がいつもの笑顔で笑う。



その言葉に私も笑って頷き返しながら、隼人と仲良く手を繋いで帰った。