「!」

「けど気づいたときには栗原は先輩しか見てなかったし。それでもいいかって半分諦めてるところもあった」

「……」

「だから栗原がやっと俺を見てくれて、すげー嬉しい…」


隼人の言葉に、胸がトクンと高鳴ると同時に、締めつけられそうにもなった。


…隼人。


隼人も今まで

私と…同じ気持ちだったの?


私が広瀬先輩に求めていた気持ちと、同じことを……


バレンタインの日。


先輩にチョコを渡しに行くのを一緒に付き添ってくれたり

勇気が出ない私の背中を押してくれて、元気付けてくれて。


いつも私のこと心配して気にかけてくれていたのに。


今までどんな気持ちで

一体どんな気持ちで……



「ごめん隼人。今まで気づかなくて」

「……」

「でも私は今、隼人が好きだよ」



言葉でそう伝えて、私はジッと隼人を見上げる。


しばらくの間お互い見つめ合ったあと


私と隼人は、もう一度キスをした。