「じゃああたしこのまま6組の教室行くから。じゃあね」

「うん、また後でね!んじゃ優衣、うちらも新しい教室行こっか」

「……」

「優衣?」


思わず茫然と立ちすくんでいたところを、ユカリに声をかけられてハッとする。


「…あ、うん!そうだね、行こっか…」



隼人もクラス、離れちゃった…。


別になにかを期待していたわけではないのに、
どうしてかこの事実をすぐに受け入れられない自分がいて。

内心戸惑いつつも、私はユカリと一緒に新しいクラスの教室へと向かう。




「うわーもう皆来てるね、ってか周り全然話したことない人ばっかなんだけど。
優衣と同じクラスでほんと良かった。めっちゃ心強い」

「うん、私も」


教室に入ると、既に同じクラスの人達が大勢集っていて。

始業式が始まるまでの間、
ひとまず適当に空いた席を見つけてユカリと待機する。


辺りを見れば


見慣れない教室

見慣れないクラスメイト


なんだか落ち着かない。


…何より、今まで3年間当たり前のように同じ教室にいたはずの隼人の姿がなくて。


「……」



隼人とはお互い教室が一番端と端同士で、クラスが遠のいてしまった。