(…あれ？)


目を開けると、そこは見慣れた白い天井。

――気がつくと、私は自分の部屋のベッドに横たわっていた。


しばらくの間ぼんやり上の空でいると、リビングの方から家族の話す声が聞こえてくる。


「ん？あれ？ねぇおかあさーん、優衣姉ちゃんは？お腹、すいてないの？」

「それがね、今日学校でいきなり倒れたらしいのよ。
幸いただの貧血みたいだけど、そっとしておいてあげようね」


…あぁ、そっか。
私、あのあと気を失ったんだっけ。

倒れるまでの記憶がだんだん鮮明になってくると同時に、
真っ先に思い浮かんだのは、隼人の言っていた言葉。


“一応、先輩に頼んではみたんだよ。けど正直…良い返事はもらえなかった”

「……」


面と向かって言われたわけじゃない。

直接先輩から言われたわけじゃないけど……

でもやっぱり


やっぱりすごく、ショックだよ……



♪～♪


しばらくの間、ひとり枕に顔を埋めてうずくまっていると

机の引き出しに入れていたスマホからラインを知らせる着信が鳴り響いた。