「優衣、そろそろ起きたら?今日新学期なんでしょ」



朝。いつまでも布団に潜って出てこない私を、見かねた様子のお母さんがドアを開けて見に来た。



“新学期”


その言葉に、私はようやく布団から飛び起きる。




そして今は鏡の前。

入学してからもう何百回も付けてきただろう制服のリボンも、今朝はいつもよりも丁寧に結んでいく。



支度を終えると

履き慣らした靴をはいて、家を飛び出した。



「行ってきます!」




突然ですが


私、栗原優衣は――今日で中学2年生になります。