「！？ユカリ！？」

「ねぇ優衣。この際うちらで今から直接先輩に声かけに行こう。仲良くなるチャンスだよ！」


えぇぇ！？


すっかり息を巻いた様子のユカリが、ずんずんと強引に私を連れ出す先に見えるのは、紛れもなく…あの広瀬先輩。

それが分かった途端、全身から血の気がサーっと引いていくのを感じた。


「ちょ、ちょちょ待ってユカリ！なんか私今、急にちょっと気分が……」

「もう、今さら何言ってんの!ほら行くよ！」


ぐぐぐ…と頑なに拒否する私と、意地でも連れていこうとするユカリ。


そんな私たちがよっぽど目立ったのか

この時、騒ぎに気がついた様子の先輩と、フェンス越しに一瞬――目が合ったような気がした。


あ………



「優衣！？」

「おい、栗原！？」



遠くで隼人たちの呼ぶ声が聞こえる中

なぜかその記憶を最後に私の意識は途切れた。