「一応、先輩に頼んではみたんだよ。けど正直……良い返事はもらえなかった」

「……」

「おまけに、女紹介する暇があったら部活に集中しろって…」


そう打ち明ける隼人の言葉に私は何も言えなくなる。

しばらくの間返す言葉を失っていると、ユカリが封を切ったように怒りだす。


「ちょ、ちょっとー!なによそれ!隼人ってばそれであっさり引き下がってきたわけ?
食い下がってでもなんとかしてみせるのが男ってもんでしょーが?!」

「なんとかって…それさすがに無茶だろ、これでもまだ入部一週間も経ってねーただの下っ端だぞ?
知り合ったばっかの先輩相手にいきなり食い下がれるかっつーの…」


いつものヤンチャでお調子者の隼人はどこへ行ったのか、ぼそぼそと言い訳を繰り返す。

すると突然ユカリが私の腕をグイ!とつかんだ。