そしてその言葉にあたしが首を傾げると、拓海くんが言葉を続けて言った。



「…だから、妃由は何もわかってない」

「!」



そう言われたと同時に、後ずさっていたあたしの背中がとんっ、と後ろの大きな木にあたる。

それでも近づいてくる拓海くんに、あたしはドキドキしながらも、やっぱり全部がよくわからなくて…。


わかってないって、何が?


そう思いながら、呟くように言った。



「……ほんとに意味が全然わからないよ」

「わかれよ。妃由は鈍すぎる」


「っ…何で!?

ってか、何であたしばっかりそんなこと言われなきゃいけないの!?


だいたい、拓海くんだって…!」



そう言ってあたしが納得いかなくて顔を上げると、その瞬間拓海くんの手が突然あたしの左肩を掴んで…


突如、奪うように



キスをされた。