…………



その後、夕飯を食べるとあたし達は皆で外に出て早速花火を楽しんだ。

少し風があるから火はつきにくいけど、そもそも花火なんて久しぶりだし綺麗だしとにかくテンションが上がる。


だけど…



「おい妃由、線香花火は最後にとっとけ」

「え?」



あたしが線香花火に火をつけようとしたら、それを見かねた直樹が半ば呆れながらそう言った。


何で?

だってどーせ拓海くん、相手にしてくれないんだし。



「…別にいいでしょ。拓海くんはあたしのことなんてどうでもいいんだから」

「いや、それちゃんとした返事になってないから」

「あ~あ、マジ凹む~」

「……」



そしてあたしはそう言うと、盛大なため息とともに視線を横にずらす。

すると視界には何やら芽衣の花火に火をつけてあげている拓海くんが入って、更に落ち込んだ。



「…拓海くんのバカ」

「まぁそう言ってやるなよ」

「じゃあ直樹、拓海くんにあたしの相手するように言ってよ」



しかしあたしがそう言って線香花火を渋々片付けると、直樹が少し黙ったあと呟くように言う。



「……ぜってーヤダ」