直樹はそう言うと、キッチンの目の前にあるダイニングテーブルの上にその花火セットを置く。
「え、花火…!?」
まさか花火を用意してくれていたとは思わなくて、その単語と存在に一気にあたしはテンションが上がってしまった。
…我ながら子どもっぽい。
だけどその花火セットを見てみると、普通の手持ち花火から打ち上げまで色んな花火がたくさんある。
「わーやるやる!絶対やる!」
そしてあたしがそう言うと、直樹がちょっと笑って言った。
「相変わらずガキだなぁー」
「うっさい。花火は誰だって好きでしょ」
…それに、拓海くんと花火が出来るなんて、まるで夢みたいだし。
そう思って何気なく拓海くんに目を遣ると、拓海くんはその前からあたしを見ていたようで…
目が合った瞬間、何故かそれをすぐに逸らされた。
…あ、それ、地味に傷つく。