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「あたし、加藤くんに告白しようと思う」
「えっ」
その夜。
晩ごはんの準備を手伝っていたら、晩ごはんの焼きそばに入れる野菜を切っている芽衣がそう言った。
そんな芽衣の突然の言葉にあたしはビックリすると、思わず目を見開いて芽衣を見遣る。
…ちなみに、手伝うといっても料理がほとんど出来ないあたしは、切る前の野菜を洗ったり、材料を取り出したり洗い物をするくらいだ。
こういう時、料理得意だったら良かったなぁと心底そう思う。(芽衣は料理が超得意)
今は直樹も拓海くんも自分の部屋にこもっていて、キッチンには芽衣とあたししかいない。
あたしはビックリしながらも、隣にいる芽衣に言った。
「え、いつ!?いつ告白すんの!?」
半ば興奮気味にあたしがそう聞くと、芽衣が恥ずかしそうに言う。
「んー…最終日かなぁ。今日とか明日だと、もしフラれてその後気まずかったら嫌だし」
「あーそうだねぇ。それはあるねぇ」
「妃由はいいなぁ~。拓海くんとラブラブで」
「!?」
そして芽衣はため息交じりにそう言うと、本当にうらやましそうにあたしに目を遣った。
…って、“ラブラブ”?
拓海くんとあたしが?
いやいや。それ、あたし達のドコを見て言ってんのさ。