「ご、ごめん。でも!
どうかな?拓海くん!結構高かったんだ、この水着!超~可愛いでしょ!?」
あたしはそう言うと、拓海くんの機嫌をとろうとスカートのようになっている水着の裾を両手で持って軽くポーズをとって見せる。
でも…
「…別に似合ってない」
拓海くんはそう言って、あたしからフイっと顔を背けた。
「!」
え…何それ。拓海くん。
今のは結構、傷つくよ。
「ねぇ加藤くん!あたしどうかな?水着、似合ってる?」
「うん、すげー似合ってるよ」
しかもその横で…芽衣と直樹は仲良さげだし。
あたしはそんな二人を見ると、拓海くんに近づいて言った。
「ねぇ、拓海くん」
「…何だよ」
「ごめんってば、こっち向いてよ」
「…」
「拓海くーん…」
しかし、あたしがそう言って何度謝っても、拓海くんはあたしの方を向いてくれない。
そんなに待たせたかな?
そう思って泣きそうになっていると、そこへ直樹があたしの方にやって来て言った。
「妃由、」