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「到着ー!」
それからしばらく時間が経って、ようやく目的の別荘に到着した。
芽衣の別荘は木造で、海沿いに建てられているため中から海が一望できるようになっている。
そして二階建てで4つに部屋が分かれているため、適当に一人ずつ部屋に分かれると荷物を置いて水着に着替えた。
その水着は、この前直樹に付き合ってもらって買いに行ったピンクの水着。
女の子らしくフリルになっていて、下はスカートみたいになっている。
…結構頑張って買ったんだ。
拓海くんに喜んでもらうために。
水着とか本当は着るのがすっごく恥ずかしいけど、これを機に拓海くんともっと近づけたら…
『妃由、』
なんて、名前を呼ばれて初チューとか出来るかも…。
昨夜夢で見た感じに。
あたしはそんな妄想を膨らませると、恥ずかしすぎて思わず声にならない声で傍にあるベッドをバシバシ叩いた。