「…ヤキモチ?」
「!」
そんな拓海くんの言葉にあたしがそう言うと、拓海くんは目をぱちくりさせてあたしを見る。
だってだって…その反応、絶対そうでしょ!
そう思いながら拓海くんの言葉を待っていると、拓海くんは次の瞬間あたしの両頬に手を伸ばして…
「…うるさい」
それを軽くつねると、眉間にシワを寄せてそう言った。
「い…いひゃい(痛い)」
「黙れ。さっさと行くぞ、」
「!」
そしてそう言うと、あたしの右腕を半ば乱暴に掴んで先を急ぐ。
…あたしの可愛い顔が台無しになっちゃう。
そう思いつつも、自身の頬を手でさすって拓海くんを見遣ると…拓海くんの耳はいつの間にか赤く染まっていて。
照れてる、
それに気づくと嬉しくなったあたしは、今にもニヤけそうな顔を抑えながら拓海くんについていった。
そんなあたしと拓海くんの姿を、直樹が切なく見つめていることに気づかずに。