「え、」
「だから拓海くんも、この三日間芽衣の恋に協力してね」
しかしあたしがそう言うと、拓海くんが顔をしかめて言った。
「えぇーっ、めんどくさ、」
「どした?」
「!!」
するとそんな拓海くんの声を聞いて、直樹がそう言ってあたし達に近づいてくる。
うわ、直樹にはバレちゃマズイのに。
拓海くんが、大きな声ではっきり言うから。
あたしはそんな直樹に慌てると、すぐさま直樹の方を向いて言った。
「なっ、なんでもないよー!ほ、ほら、別荘に行くまでの電車の乗り換えが複雑だなぁって」
「え、そう?そんなこと無…」
「て、てかほら!早く行くよー!」
「…」
そしてあたしは直樹の言葉を遮ってそう言うと、拓海くんの腕を掴んでスタスタと先を急ぐ。
その途中、あたしは直樹たちに聞こえないように小声で拓海くんに言った。
「困るよ、拓海くん!協力してくんなきゃ、」
でも…
「……」
「…拓海くん?」