その声にそこを見遣ると、少し遠くの方から何故か木塚がやって来た。
…え、は?何これ。
何でお前がいんの?
突然のそいつの登場に俺がビックリしていたら、木塚がやっと俺達の傍に遣って来て言う。
「…ごめん遅れた」
「大丈夫だよ~まだ芽衣が来てないから」
「そっか」
木塚がそう言うと、妃由は少し顔を赤くして微笑んだ。
その姿に、俺はようやく大事なことに気が付く。
もしかして、今日海に誘われたのは…
“みんなで”?
俺はそう思うと、自然にジロ、と木塚に目を遣った。
2人きりじゃねぇのかよ。
…でも、考えなくても本当は、妃由が泊りで俺を海に誘ってくれるわけがない。
わかってたはずなのに。
もしかして、今日から三日間俺はこの二人の2ショットを間近で見ることになるのか?
俺はそう思うと、憂鬱すぎてため息を吐いた。
それは勘弁してくれ。
そう思っていると…