直樹 side
家で宿題を片付けていたら、突然妃由から電話がかかってきた。
何の用かと思えば、それはまさかの海のお誘い。
その話を聴いた時、俺は一瞬何を言われているのかが全くわからなかった。
…だって、“海”だよ。
海っていったら、もちろんあの海でしょ。
俺達、二人でお互いの部屋でゲームをしたことはあったけど、さすがに泊りで海に遊びに行くなんてことはなかったから。
…あ、ちょっとまて。木塚は?いいのか?
俺はそう思いながらも…
…ま、いっか。
その誘いに、ドキドキしながら頷いた。
「…行く」
しかし…一週間後、そんな自分に後悔することになるとは知らずに。
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そして、一週間後。
近くの駅で待ち合わせて、言われた通りの時間に到着すると、そこにはもう既に妃由が来ていた。
「あ、直樹!」
「!」