直樹 side



家で宿題を片付けていたら、突然妃由から電話がかかってきた。

何の用かと思えば、それはまさかの海のお誘い。

その話を聴いた時、俺は一瞬何を言われているのかが全くわからなかった。


…だって、“海”だよ。

海っていったら、もちろんあの海でしょ。

俺達、二人でお互いの部屋でゲームをしたことはあったけど、さすがに泊りで海に遊びに行くなんてことはなかったから。


…あ、ちょっとまて。木塚は?いいのか?

俺はそう思いながらも…



…ま、いっか。



その誘いに、ドキドキしながら頷いた。



「…行く」



しかし…一週間後、そんな自分に後悔することになるとは知らずに。




******




そして、一週間後。

近くの駅で待ち合わせて、言われた通りの時間に到着すると、そこにはもう既に妃由が来ていた。



「あ、直樹!」

「!」