10時を過ぎた時、マリオが正門から所長と歩いてくるのが見えた報道陣はカメラのフラッシュを2人にたきつける。マリオは、記者団の質問には一切答えず、所長に一度目を合わせて、用意された軽トラックの助手席に乗り込んだ。
所長が少し真剣な眼差しで運転席のアレックスに言った。
「じゃ、頼んだぞ、アレックス。」
「あいよー。」
ドアを閉めると、アレックスは軽トラを走らせた。