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「柳瀬店長って、コンタクトにしないんですかね?」



翌日。

閉店後の更衣室で、何気なく絵里奈がそう言った。

するとそんな絵里奈の疑問に、夏木さんが言う。



「絵里奈ちゃんわかってないなぁ。眼鏡だからいいんだよ。あの知的な感じが素敵だと思わない?」

「いや、あたしはそうは思わないですけど…」

「えぇ~、やっぱ絵里奈ちゃん変わってるね。
柳瀬店長ってちょっとミステリアスなところあるから、あたしはそこに惹かれちゃうけど。

ね、五十嵐ちゃんもそう思うよね !」



夏木さんはそう言うと、突如あたしに同意を求めてくる。

その言葉に思わずドキッとしてしまったあたしは、



「…い、いや、あたし柳瀬店長はちょっと…」



そう言って、あまり興味がないフリをした。



「え、五十嵐ちゃんもそんな感じか…」



そしたらあたしの言葉に夏木さんがそう言って、「二人とも変わってるな…」なんて呟く。



「…、」



…だって、今ここで素直に何かを言えるわけがない。

今何かを口にしたら、あたしのこの気持ちが二人にバレてしまいそうで…コワイから。

あたしはそう思うと、「お先に失礼します」と言って更衣室を後にした。



…────しかし、その夜。