修史さんはそう言うと、私に向かってニッコリ笑顔を浮かべる。

一方、「デート」と聞いて少しドキッとしてしまったあたしは、顔を赤くしながらも言った。



「…で、デート…ですか?」

「うん。…イヤ?」

「!!い、イヤじゃないですっ… 」



修史さんの言葉にあたしが慌ててそう言うと、修史さんは…



「だったら、今度の定休日に二人で出掛けよ?俺車出すから、」



そう言って、あたしの頭を優しく撫でた。

だけど、わざとなのか髪を乱すように撫でられて、少し口を膨らませるあたしを見て修史さんが可笑しそうに笑う。



「……」

「あははっ、綺麗な髪が台無し、」

「…台無しにしたのは修史さんですよ」

「ごめん、ごめん」



修史さんはあたしの言葉に謝るも、尚もまだ少し笑っている。

そんな修史さんを横目に、あたしが髪を手ぐしで直していると…



「鏡子、」



ふいに、名前を呼ばれた。

その声に、あたしがまた修史さんの方を向くと、次の瞬間…



「…っ!!」



あたしは、修史さんにキスをされた。