『おじゃましまーす』
「んなことゆわなくていいだろって!誰もいねぇよ!」
『そっか!』
いつも健也の家には誰もいない。
両親は共働きで家に帰ってくるのは深夜。
だから、健也は、こんなに悪がきになったんだろうなあ。
健也の部屋はタバコ臭い。
おまけに、女の下着やら化粧落としやら…。
この部屋に来るのは何度目かな。
もう慣れた。
この言葉も聞き飽きた。
「ヤろ」
健也は大好きな友だち。
クラスの中でも仲良くて、男女8人グループでいつも一緒。
だから、二人で遊んでも何もないと思ったあの日から健也との関係は変わっていったよね。