後ろを振り返って、周りを確認してただいちゃんは、崖の方に向き直った。




そしてまた、始まる。





──ここは、崖なのに。


──崖の下は、海なのにね。







『だーるーまー……『ターッチ!!』





それなのに。



私は、戸惑うことなく。




彼の背中をドンとタッチした。




やったぁって、笑顔があふれていた私の顔から。


だんだんと笑顔が消えていく。




まるでスローモーションみたいに、ゆっくりゆっくり。




それに合わせるように、彼の足は崖からズッと落ちて。



体が海に傾いた。





──なんでこんなことになったんだろう。