「美和、入るぞ。」

白い扉が開く。

そこに居るのは余りにも整った顔を男。

誰もが見惚れてしまうような端整な顔立ちをしている男。

私をここに縛り付けている張本人。

「調子はどうだ?」

「いつもどうりです。ご心配なく。」

淡々と出る言葉。

冷たくなる空気。

そんな空気をものともせず彼は言う。

私が一番言われたくないことを。

「自分の妻を心配して何が悪い?」