「声上ずりすぎ 逆に不自然。」


「はいぃ....」


「....というか、わかんないところとか言えば教えてもらえるんだよ?二人で喋れるんだよ?なんで言わないの~?」


「だって、そんなわざわざ先生の手を煩わせる様なこと」



先生に真面目ぶってる生徒だって思われてるかな

....それだったら嫌だな。



そう、私はナオコみたいにはなれない。
ナオコみたいに、好きな人に一直線にぶつかって行くことができないんだ。


それは私が奥手な性格だからって思ってた。


でも、こんなチャンスも無駄にしてしまうくらい、私は揖斐谷先生から逃げている。


それは、嫌われたくないという気持ちがどうしても勝ってしまうからなのだというのは分かっている。


臆病な気持ちが先に出てしまう。



そうしてまた
自己嫌悪。