ーーー休憩時間
「さぁーて、凛香!何があったの?」
聞きたそうな顔がおもしろい


「何でもないよ。」
てきとーにごまかす

「そう?なんかあったでしょー」
白状しろーっとこちょこちょしてくる

「ううん。ほんとになんでもないの」
あははっと笑いながら
菜乃花には悪いけど言えない。

「ほんとー?なんかあったら言ってよね?」
菜乃花は優しい。
まだ出会ったばっかだけど

「じゃあ、菜乃花こそ伊藤くんとは?」

「ちょ、声大きいよ!!」
口を塞ごうとしてくる

しょうがないなーっと笑う
小さな声で、
「で?どーなの?」

「どーなのって…なにもないしー!」
そーたって誰が好きなのかわかんないし

恋してる
羨ましいなぁ


「凛香こそ!誰なの?」

「いなーい♪」

「あの周くんと涼くんと仲良いんでしょ?」

「かんけーないよ〜」




「え、じゃあ俺!立候補します!」

隣の席で聞いていた伊藤くん

「はぁ?そーたじゃ無理」

「うるせー。かわい気ないなー」

「なにそれ!どーせ凛香みたいに可愛くないですー!!」
ぷぅっとほっぺを膨らます菜乃花。

「鈴原さんかわいーし」


私より菜乃花の方がよっぽどかわいいのになー

恋してて、言葉は悪いけど誰よりも女の子。

私なんか空っぽなのに…

「うち、トイレ行ってくる」

「じゃあ私も」

「いいよ。1人で行ってくる」
急いで教室を抜け出した


菜乃花side
ーーートイレで

わかってるし。凛香みたいに可愛くなれないよ

言葉だって男みたいだし

可愛くないよね…



出ようとした瞬間、声が聞こえた
3人組みたい


「ねぇ、鈴原さんってうざくない?」

「ちょっとかわいいからってさー」

「わかる!調子乗ってるしー」

「うちらの方が周と涼好きだし!」

「いじめて不登校にしちゃお?」



そこまで言った瞬間。
ーーーバンッと

勢いよくドアを開けた

やりすごそうと思ってたのにー

つい…だって友達の事言われて腹立つし

「あんたら、なに言ってんの?」
どうやら、性格悪くて有名な愛莉達だった

「びっくりしたー。橘じゃん」

「凛香の事悪く言うの止めてくれる?」
イラつきながらだけど言えた

「よくそんなこと言うね〜」

甘ったるい声が勘にさわる

「橘って伊藤好きなんでしょ?」

「だったらなに?」

「そんな怒んないでよ〜。イイコト教えたげるのに」


「はぁ?イイコト?」



「伊藤って鈴原さん好きなんだよ」
そろそろ戻るねー


なにそれ。っと思った瞬間予鈴が鳴った