涼side

「涼は悪くないよ」


周の声が後ろからする
いつもの声だが少し違う。


「凛香は?ついてなくていいのか?」
悔しくて嫌味を言ってみた。
変に気がきく周なら大丈夫だろうけど



「寝かせた。その時に手を見たけど…」
黙り込んだ周。

言えれないよな…

俺も少しだけだが見えたけど

おびただしい数の傷。

痛々しかった

それにあいつ苦しそうだった…



そんなこと勝手に言えれないよな



「今度は涼の番。あれは涼のせいじゃな
じゃないんだから。」

「わかってるよ。」
お前の言いたいことはわかってる…





そこを見抜いたのか、




気にするなって言っても気にするでしょ

でも、涼のせいじゃないから

わかってるでしょ?

僕に出会う前からだったみたいだし



そう言って部屋を出て行った


相変わらず勘がするどい





俺の言うことないじゃん。



悔しい…

俺はあいつのために


何もしてやれないのに




ーーーーーーーーーーー
周side

「凛ちゃんの次は涼か…。」
はぁ〜っとため息が出る

手のかかる兄さんなんだから…



でも正直驚いた


凛ちゃんは手をかばってたけど

まさかこの事だったんだ…

気付いてあげられなくて


「ごめん」


「僕がしっかりするから」



涼には、頼れない

涼は優しいから心配なんだよ…



ーーーーー
涼の部屋に行った

涼は机に突っ伏してわかりやすく落ち込んでいた。


「涼は悪くないよ」
なるべく普通に言った


涼は辞めさせたかっただけなんだから


僕、あの時だってそうしたよ?


でも間違ってたんだ

ごめんね涼。