出かけるって言ってたけど…

「とりあえず、こんなもんか…」
服は周に金を渡して買ってきてもらってる。


周は服のセンスはいいからな



周に頼んでいるせいでしょっちゅう色違いが多い

「周〜?上着借りるぞ」

「じゃあ僕はこれ借りる〜」

っといった感じで服を合わせている


「よし…っと」
最後に確認した

ーーーーガチャ
「凛香!遅い!」

「まってー、もうちょっと」

「あー、涼と色違いになったー」
ケラケラ笑ってる周

まぁ、いっか


凛香は冬らしいニットのワンピースとブーツだった


似合ってるなー

「凛ちゃんかわいー!」
周が早速褒める

俺はキャラじゃないから言わない。

「周と涼一緒なんだね!」
凛香は嬉しそうだった

「周に買ってきてもらってるからな
しょっちゅうかぶる」

「そーなんだ!似合ってるよ。2人とも



「ありがとう!」
「……ありがとう」

周みたいに素直に言えればよかったのに

「じゃあ行こ〜」
周が歩き出した

「うわぁ〜、水族館って久しぶり!」
凛香は嬉しそうに言う







俺は水族館が好きだ

人間では生きられない世界を生きている

魚たちを見るのが好きだから



「なんで水族館なんだよ?」
意味わかんね。

「だって涼が好きだから?」
周に言った覚えないのに
なんでこいつ知ってんの?

「言った覚えないんだけど」

「わかるよ〜、涼だから」
にんまり笑った周

「理由になってないし。」
抜け目がない奴。




でも久しぶりだし、楽しむか…

「凛香、あれすごいぞ」

「え、どれ?見たい!」

「凛ちゃん、涼。はしゃぎ過ぎないで」
最後の方には周に怒られるほどだった


2人組の女子が
〈ねぇ、あの双子かっこいいよね〉
〈でも彼女1人だよ?〉
〈どっちかわいそー〉


なんか勝手に言ってるし

俺には関係ないけど

なんかイラつく






「俺には2人とも大事なんだよ」
小声で自分に言い聞かせるように


言った後
2人組の女子を睨んだ