「菜乃花の家も近いよ?」
気を使ってくれたのか、申し訳なさそうに言った

「……いい。」
この時も泣いていて、菜乃花にも見られたくなかった


「そっか…。」


ーーーー
「じゃあここで待ってて」

今日親居ないけど……
背を向けていたから顔は見えなかった


とりあえず、っと言って部屋へ案内された

「俺の部屋だけど、くつろいでて」
伊藤くんは部屋を出て行った

外を歩いてるあいだに借りていた上着をかけた

その間にケータイを見た


着信履歴とLINEがたくさん来てた

放っておく私

ーーーガチャ

「で、どーしたの?鈴原さん」


「なんでもないよ。」
もう涙は引いていたので答える

「何かあったんだよな?」

「……。」
言えないよ。言ったってわかってくれないし

「まぁ、なんかあったんだな。」
これ飲んであったまれな。っとココアをくれた

「ありがとう」
少し飲んでみるとあったかくて少し安心した


「伊藤くん。」

「んー?なに」

「大切な2人がいるの。だけど特別とし
選ばないといけないの」


「なんか難しそーだな」
うーんっと考える伊藤くん

「でも、どちらかを諦めるしかないんじ
ゃないかな…。




鈴原さんは優しいから選びたくないん
だろ?



それは残酷だよ?

選べないならどちらも手放すことにな



それが嫌だったら選べ。」




「キツイこと言ってごめんな。」
でも目をそらさず言ってくれた伊藤くん


伊藤くんの言うとおりだ
どっちも手放したくない、。

「手放したくないんだったら俺でもいー
よ?」


「な、なんのこと?」
いきなり言われて動揺が隠せない



「いいよ。どーせ、瀬戸兄弟だろ?」
なんでわかったの?

「なんでわかったの?」

「わかるよ。だって鈴原さんのこと好き
だったからね。」

伊藤くんって私のこと好きだった??

菜乃花……

ごめん

「でも今は違うんだ」
はっきりと言った

「うまくいくといいね」

「ありがとう、鈴原さんもな」






「じゃあ、私帰るね!今日はありがとう

「送って行こーか?」

「いい。やっと答えがわかったから」



ーーありがとう




鈴原さんがさっきまで居た場所

「本当は嘘なんだけどな…。
まだ好きなんだけど」

俺って不憫だな…
笑うしかないわ

♪〜♪〜♪〈菜乃花〉
菜乃花とか珍しいな

〈そーた?〉

「なんだよ急に」

〈なんか元気ない?〉

「うるせー。今俺傷心中なんだよ」

〈菜乃花が居るよ。てか言いたいこと
あるからドア開けて〉

「はぁ?めんどくせー」

ーーガチャ

「菜乃花?いつからいたん…」

〈「好きです」〉
なんで気がつかないのよ。バカそーた

そーたのこと好きなの私くらいなんだから