凛香side

雛叶さんは何も悪くないのに

「すみません。ちょっと外出てきます」

「待って、私も」

「行ってきます」

凛香ちゃん?ちょっと!
だんだん声が遠くなっていった


外はちょっと寒くて、今の私にはちょうどよかった

「冬だもんなー、、」



せっかく最近楽しかったのに台無しだよ

勝手に死なないでよ

勝手に捨てないでよ

ちゃんと言ってよ!



「なんで言ってくれないの…?」
はぁっと吐く息も白くなってる

♪〜♪〜♪


ケータイが鳴った

私は無視した

今は誰とも話したくなかったから

バイブ音が止まない
「うるさいなぁ!」


私はケータイを出して出た
相手は涼だった

〈凛ちゃん?大丈夫?〉
涼のケータイのはずなのに周がなんでいるの…

雛叶さんからもう聞いてるよね


「周、ほっといて」

〈おい、何かするつもりか?〉

「知らない。」
そう言って電話を切った



街を歩いておこうと思ってぶらぶらしてた

寒い。もう冬なのに飛び出してきたからなぁ


「あれ?鈴原さん?」
なぜか伊藤くんと出会った

「伊藤くんじゃん。こんなところ見られ
たくなかったんだけど……」




やばい、泣いちゃう…
目が熱くなって、スーッと下へ降りた

仕方なく俯いた



「俺ん家。この近くだから来る?
寒そうだよ」
伊藤くんが苦手な作り笑い

少し不自然な笑い方



「……うん」