前の、記憶が無い俺の記憶も存在する。




このまま、何も知らせなかったら、もしかしたら渚と元に戻れるかもしれない。




なんて考えが頭をよぎったから。




でも、もう渚の傷ついた顔は見たくない。





俺だったら、裏切られるよりも忘れられるほうがいやからな。







真「…………なぁ、」




言おう。言わないと、本当には戻れない。



言って、元に戻れるように努力すればいい。



こうなったのは、俺のせいだから。




渚「ん?」





弘「なんですか??」



蒼「なになにー?」




綺「どうかした?」




秦「……………?」




真「………記憶、戻った。」





一瞬、皆がフリーズする。

口をぱくぱくさせながら、弘人が声を絞り出した。


弘「本当、ですか?」



真「ああ。」





蒼「渚ちゃんのこと、思い出したの?」