一回、自分を落ち着かせるためにきつく目を閉じる。
そして、ゆっくりと、瞼をあげていった。
決意が決まったときのように。
真「…わざわざすまなかったな。
戻っていいぞ。」
下っ端「はい。失礼しました。」
そう言って三人は出て行った。
暫くのあいだ、沈黙で包まれた幹部室の空気を壊すかのように蒼が口を開いた。
蒼「真くんが思い出せるように努力するなら僕、それに協力するよ!」
と。
弘「同じく。
だとすると、チャンスは明日ですね。」
秦「俺も協力する。勿論、綺乃もしてくれるはずだしな。」
真「………ありがと、な。」
初めて、お礼を言った気がする。
こいつらに。
やっぱりそうだったのか三人は驚いた顔をして固まっている。